印紙税法の規定
印紙税法別表第一の17号において、売上代金に係る金銭の受取書(領収書を意味する。)には印紙税を課すとされています(印紙税法2条)。
売上代金に係る金銭の受取書とは、資産を譲渡し若しくは使用させること又は役務を提供することによる対価として受け取る際に、金銭の引渡しを受けた者が、その受領事実を証明するため作成し、その引渡者に交付する単なる証拠証のことを意味します(印紙税法基本通達17号文書1)。
ですので、文書の表題、形式がどのようなものであっても、その作成目的が当事者間で金銭の受領事実を証するものであるときは、この17号文書に該当することになります。
なお、受領書には、手付金を含むとされています。
非課税物件
領収書に記載される受取金額が5万円未満の場合、「営業に関しない場合」は、印紙税は非課税とされます。
この2点に該当する場合は、印紙税は非課税となりますので、その医療行為が営業に関しないかどうかが問題となります。
医師等が作成する領収書の印紙税
医師、歯科医師等の行為は一般に営業に該当するとはされていないことから医師等の業務に関して作成する領収書については営業に該当しないものとして、印紙税は非課税とされています。
医師等とは、医師、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、保健師、助産師、看護師、あん摩・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、獣医師等が該当し、その業務上作成する領収書は、営業に関しない受取書として取り扱買われています(印紙税法基本通達17号文書25)。
医療法人が作成する領収書の印紙税
医療法に基づき設立された医療法人は、公益を目的として設立され、利益金又は剰余金の分配をすることができませんから(医療法54条)、医療法人の業務は営業に関しないものとして取り扱われています。
よって、医療法(昭和23年法律第205号)第39条に規定する医療法人が作成する領収書は、営業に関しない受領書となり、非課税文書とされています(印紙税法基本通達17号文書27)。
営利法人組織の病院等又は営利法人の経営する病院等が作成する領収書
いわゆる営利法人(会社法により設立される法人)は、営利を目的とし、その出資者に利益分配することを目的として設立される法人ですから、その法人の行う行為は営業に関するものとなり、営利法人が組織の病院等の作成する領収書には印紙税が課税されることになります(印紙税法基本通達17号文書27)。