医療法の規定等

医療法人は、医療法41条①により、その業務を行うに必要な資産を有しなければならないとされています。
また、医療法人は、その開設する病院、診療所又は介護老人保健施設の業務を行うために必要な施設、設備又は資金を有しなければならないとされています(医療法施行規則30条34)。

しかし、医療法人の施設又は設備が医療法人により所有されていなくても、長期間にわたる賃借契約で、かつ、確実なものであると認められる場合には、医療法人の設立認可が認められています(厚生労働省医政局長通知 平成19年3月30日)。

理事長からの不動産賃借契約

医療法人がその理事長との間で土地、建物の賃貸借や売買をする場合、お互い利害が対立する利益相反取引を行うこととなるので、特別代理人を選任し、契約締結することが必要になります。

賃借料設定と剰余金の配当金禁止規定

不動産の賃借料の設定について、理事長と医療法人との間の利害が対立することから不動産の賃借料を高額に設定しがちになります。
しかし、医療法人は、医療法54条の規定により剰余金の配当をしてはならないとされており、近隣の不動産の賃借料と比較して著しく高額なものに設定した場合、実質的に剰余金の配当とみなされることがあり、当該規定に抵触します。

実務上の取り扱い

実務は、税務上の取り扱いなども参考にしつつ、近隣の取引事例を調査し、賃借料を決定する必要があります。
例えば、設立認可申請手引に、賃料設定においての上限基準が設定されていますので、それ以下の妥当金額で設定することが多くなります。

不動産の種類
賃借料上限
土地 路線価評価額×6%÷12
若しくは
不動産鑑定評価額÷12
建物 固定資産税課税標準額×10%÷12
若しくは
不動産鑑定評価額÷12