課税の特別措置として特別償却といわれるものがありますが、特別償却とは減価償却費を前倒しで
計上し、必要経費を多く計算する節税手法のことを言います。
具体的には、特別償却の適用年度に通常の減価償却費に特別償却額を加算した金額を必要経費に加算できるため適用年度は所得と税金を抑えることができますが、適用年度後は特別償却額は減価償却費として計上できなくなり、所得と税金を納めていくことになります。
適用年度に税額を抑え、後に税額を支払うので、これを課税の繰り延べ措置と言います。

医療用機器の特別償却の概要

青色申告書を提出する個人で医療保健業を営むものが、医療用の機械及び装置並びに器具及び備品(一定の規模のものに限る。)のうち、①高度な医療の提供に資するもの若しくは②先進的なものとして(以下、「医療用機器」という。)でその製作の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は医療用機器を製作して、これを当該個人の営む医療保健業の用に供した場合には、その用に供した日の属する年における当該個人の事業所得の金額の計算上、当該医療用機器の償却費として必要経費に算入する金額は、普通償却費の額とその取得価額の12%に相当する金額との合計額以下の金額で必要経費として計算した金額とすることができます(租税特別措置法12条の2)。

(注)所有権移転外リース取引により取得した当該医療用機器をその用に供した場合を除きます。

適用年度

昭和54年4月1日から平成29年3月31日までの間に、医療機器を取得して業に供した場合でしたが、平成29年度税制改正により2年延長され、31年3月31日までとされています。

対象資産

(1)一定の規模
一台又は一基の取得価額が500万円以上の医療用の機械及び装置並びに器具及び備品とされています(租税特別措置法施行令6条の4)。
(注)通常一組又は一式をもって取引の単位とされるものにあつては、一組又は一式で判定します。

(2)医療用機器の範囲
次に掲げる医療用の機械及び装置並びに器具及び備品とされています。
①医療用の機械及び装置並びに器具及び備品のうち、高度な医療の提供に資するものとして厚生労働大臣が財務大臣と協議して指定するもの
②医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第五項に規定する高度管理医療機器、同条第六項 に規定する管理医療機器又は同条第七項 に規定する一般医療機器で、これらの規定により厚生労働大臣が指定した日の翌日から二年を経過していないもの(前号に掲げるものを除く。)
(注)厚生労働大臣は、①により機械及び装置並びに器具及び備品を指定したときは、これを告示するとされており、告知されたものが下記のものである。
厚生労働大臣指定医療用機器

適用要件

確定申告書に、医療用機器の特別償却の規定により必要経費に算入される金額についてのその算入に関する記載があり、かつ、償却費の額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用されます。